北海道1万年史を探る
この10年、縄文文化の世界遺産登録やアイヌ新法成立に直接関わっていく中で、ずっとひっかかってきたことがありました。それは「縄文人とアイヌの人たちは血筋としてつながっているのか」ということでした。道庁発行の「新北海道史」などを調べてみると、アイヌの人たちは体質・言語・風習などからみて、アジア大陸から次第に東北部に圧迫された古シベリア民族の一部で、南は本州の東北部、北は樺太の南半、東は北千島まで移り住んだとされています。
また、先住民族について明確な定義はないようですが、日本政府は「一地域に歴史的に国家の統治が及ぶ前から国家を構成する多数民族と異なる文化とアイデンティティを持つ民族として居住し、その後、その意に関わらず多数民族の支配を受けながらもなお独自の文化とアイデンティティを喪失することなく同地域に居住している民族」という考え方を受け止め、アイヌ新法では「アイヌは先住民族」という書き方になったのだと思います。先住権の主張によって鮭の捕獲など現行法の適用除外を作ることはあってはなりませんが、アイヌ文化の振興は北海道の歴史を考える上で取り組むべきテーマであることに異論はありません。ただ私は、上ノ国における史実等から「松前藩等の和人とアイヌの人たちは、時代時代でそれぞれの立場を深い部分で理解し、折り合いをつけて子孫にバトンを繋いできた」と考えており、一方に寄った見方は北海道の将来世代にとってよくない、と考えています。相克を超え、北海道の歴史を未来に紡いでいくため、意を込めて「北海道一万年史」に思いを巡らしてみようと思っています。